港北ニュータウンにある「横浜市歴史博物館」にて、
「横浜市戸塚区 舞岡熊之堂遺跡のすべて―縄文環状集落・弥生環濠集落・戦争遺跡の発掘―」と、
「君も今日から考古学者!―横浜発掘物語2023―」が同時開催中です。
会期:2023年5月20日 (土) ~2023年6月25日 (日)
開館時間:9:00~17:00(券売は16:30まで)
休館日:月曜日
観覧料:企画展のみ 一般800円、高校・大学生200円、小・中学生・横浜市内在住65歳以上100円
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舞岡熊之堂(まいおかくまのどう)遺跡は、
市営墓地造成に伴って近年発掘調査された遺跡。古代の多くの遺構・遺物の発見と、太平洋戦争時の陸軍照空隊陣地跡が良好な状態で検出されたことが特色とのこと。
陣地跡については昨年夏、戸塚区役所および舞岡地区センターで展示し、大きな反響があったそうです。
そして、「君も今日から考古学者!」展は、
ポスターにも「帰ってきた!」と記されてあるように、
以前開催された同じタイトルの企画展と内容が被るところアリ、のような感じがしました。どこまで同じかは、私もはっきり覚えてナイのでワカラナイです・・・が、改めて観覧してみて、面白かったです☆彡
横浜歴博への来館者は、やはり港北ニュータウンとその周辺からの方が多いようなので、
「舞岡熊之堂遺跡のすべて」展のほうがより新鮮味があるかもですネ。
では、どんな様子だったかチラリ。
まずは、「舞岡熊之堂遺跡のすべて」展のほうから。
舞岡熊之堂遺跡は、戸塚区と吉田町にまたがってます、
JR戸塚駅から東に約1km、市営地下鉄ブルーライン「舞岡」駅から西に約300m、戸塚の市街地を西に見下ろす、南北に長い標高約60mの丘陵地。
市営墓地造成に伴って、平成29年12月~令和2年3月に発掘調査を実施。
発掘調査前は縄文時代の遺跡としか登録されておらず、遺構密度も低いと考えられていたが、
発掘してみると、
①縄文時代中~後期の環状集落、
②弥生時代後期の環濠集落、
③古墳時代前期の方形周溝墓、
④奈良時代の竪穴住居、
⑤中~近世の道路跡、
⑥太平洋戦争時の照空隊陣地跡、などが発見。
今回の企画展では、特に規模の大きい①・②・⑥を中心に紹介するとのこと。
上空から眺めた舞岡熊之堂遺跡
・・・小高い場所にあるということがわかりやすい。
それにしてもちょっと行ったところはメチャ都市化進んでる~
遺跡全体図
ポイントによっては異なる時代の遺構が重なってそうですよね・・・やはり発掘作業って丁寧・慎重に行われるのかナァ
展示資料は縄文時代の土器のボリューム多し。
舞岡熊之堂遺跡のすべて展のほうも、若年者に興味を持ってもらうことに重きを置いているのかしら? メッセージアプリのやり取りを模した説明板が添えられてます。
私は土器を見る際は、気になるデザインのものを探すようにしている。
「浅鉢」
浅くておっきい。食べ物とか入れてたのかナァ
「土器の系統と故地」 「縄文時代中期後葉の土器分布図圏と舞岡熊之堂遺跡の位置」
土器の系統名は聞いたことあるナーというものが多いけど、
名称そのものが日常では親しみが無いし、それぞれの特色を覚えるのは難しい(;'∀')
スグ手元に資料があって、見ながら・・・じゃないと、こんがらがってくるね。
これは展示を悪くいっているのではなく(むしろわかりやすく展示されていると思う)、私の頭の問題w
やっぱ弥生土器はスタイリッシュよネ。つるっとしてて、現在の実用的な焼き物にかなり近づいているような形状。
で、縄文時代であっても後期になると、比較的スリムな土器が多いンだなあと、今回の展示を観て思いました。
・・・けど、やっぱ個人的には、飾るとしたら、縄文時代中期ぐらいの、ごてごてっとした土器です(*´▽`*)
そして、終盤は戦争遺構。
舞岡熊之堂遺跡で見つかった太平洋戦争時の照空隊陣地。
照空隊とは、照空灯(大型のサーチライト)で夜間に飛来する敵機を照らし出す部隊で、高射砲部隊と組んで防空を担当していました。
当遺跡では、実際に照空灯を運用する照空分隊の陣地、分隊を指揮する照空中隊の本部跡、照空灯を置いた照空灯掩体(えんたい)跡、敵機の音を聴いて位置を探る聴音機を置いた掩体跡、地下室や地下通路、大規模な囲郭(いかく)施設などが見つかっているとのこと。
発見された遺物「炭素棒」。照空灯の光を生み出すために使われました。
約20本出土。
炭素棒にはうっすらと「揖斐川電気株式会社」などの文字が見えるらしく(ワカラナカッタ)、それは現在もある会社だそうです。
「碍子」(がいし。電線等を固定するときに使われる絶縁体)も、今も存続してる会社のものなのかナァ? 気になる
では、ココからは「君も今日から考古学者!」展。
ポリゴン風?のキャラクター(キッズ、学芸員、弥生人など)が登場し、考古学についてわかりやすく紹介する内容。実際に遺物に触ったり、スケッチしたりといった体験もアリ。
パネルは、ほんとに素朴なQ&A。けど、意外と、それらの疑問を明確に答えられる大人ってどれぐらいいるンだろ?とは思うの。
土がどこからくるのか。
なんとなーくわかってる気はするけど(^^;、学芸員さんに答えてもらえると、まじ頭の中で明解になる☆ 面白い!
で、企画展序盤スグに、遺跡の場所が載った横浜市の巨大マップがあって、
来館者らがやってきた場所にお家シールが貼ってありマス・・・港北ニュータウンに集中してるョ(^^;! 市内といえど、場所によっては歴博遠いですものネー
・・・横浜歴博では、ちょうど先週末に「歴史未来フェス」というイベントがあったといえど、
この日(平日午後)は企画展の観覧者はとても少なかった・・・そもそも、たぶん歴博への来館者そのものも。ココに週末に来たことはほぼ無いので(どんな感じか覚えてナイぐらいずいぶん前に1回だけ)、休日は賑わっているのかもですが、
平日は来るたびに心配になる・・・それはみなとみらいのほうにある神奈川県立歴史博物館もそうなのだけど。
2019年開催時の「君も今日から考古学者!」展の記事を振り返って見ると・・・
→◆「すごくわかりやすく、遺跡・遺物・発掘などについて学べる!「君も今日から考古学者! 横浜発掘物語2019」(横浜市歴史博物館企画展)【会期:2019年6月2日まで】」(2019年4月17日付)
・・・ああ、今回と同じ資料っぽい展示があった、というのがいくつか。
でも面白いから、今回も展示されたのでしょうけど(実際、今回も興味深々)。
でも、どこからどこまでが同じっぽくて、また、何が今回初の展示だったかはワカラナイのですが、
とりあえず面白かったナ~と思ったものについて。
横浜市内18区それぞれで出土した遺物を1点ずつ、のガラスケースがありました。
桂台北遺跡出土の弥生土器の壺がやけに小さいのが気になった(^^;
「料理に使ったおなべ」がずらり。
子どもがメインターゲットの企画展だからか、
キャプションボードにある資料の名称がかわいらしい(*´▽`*)
わかりやすいし、他の企画展でもコレでいい気がしてきたw
「液体を入れてそそぐためのきゅうす」
「おコゲのついた土器」「ご飯を食べるお皿」「そそぎ口のついた土器」
(・・・ご飯を食べるお皿???)
コチラもちょっと面白いと思ったQ&A(^^;
てか、溶解スラグって落ちてるの??
コチラが黒曜石
コチラが溶解スラグ
・・・て、この写真だと余計わかりずらいですが。
ホント、似てるナ~て思いました。
「弥生人に質問だ!」コーナー。
子どもたちは、面白い質問を弥生人に投げかけてマス。
コチラでは、「黒こげのおにぎり(カゴ入り)」(古墳時代後期)や、イヌの落とし物らしき「糞石」(縄文時代後期)、そして「へたくそな土器」(縄文時代中期・弥生時代中期)もありますョ~
考古学的には、弥生時代の学校や遊びについてはほとんど何もわからないとのことです。
ミステリ~☆o。..:* ☆.。
コチラはおはじきみたいな形だけど、用途はナゾとのこと。
「土製円盤」(縄文時代中期)
土器のかけらを触ったり、ワークシートにスケッチするコーナーもありマス。
土器のかけらを描くって・・・なかなか難しいと思うのですが(^^;
だから日本人って絵を描く平均レベルが高いのかもね(?!)
おもしろかった!
エントランスホールのスロープでは、
「写真でみる50年前と今の大塚・歳勝土(さいかちど)遺跡」が開催中。
大塚遺跡本格調査50周年関連企画としてのパネル展示。
およそ50年前と今の遺跡とその周辺の写真を並べてマス。
大塚・歳勝土遺跡は、横浜歴博そばで遺跡公園として整備されてマス。
「大塚遺跡の空撮 1975年」
今のこの辺りの風景と違いすぎる・・・!!
横浜歴博の企画展、今後もたのしみ♪
【横浜市歴史博物館】
所在地 横浜市都筑区中川中央1-18-1
(横浜市営地下鉄ブルーライン・グリーンライン「センター北駅」から徒歩5分)
所在地 横浜市都筑区中川中央1-18-1
(横浜市営地下鉄ブルーライン・グリーンライン「センター北駅」から徒歩5分)
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